今年もクロフ舎をよろしくお願いいたします!
と言っておきながら、新年早々、こんなお知らせで大変申し訳ないのですが、少しの間、ご新規のご依頼の受付を、一旦停止させていただくことにしました。
ありがたいことにご依頼をたくさんいただいており、そろそろ手が回らなくなってきてしまいました。
最近では、お伝えしていたよりも納品に時間がかかってしまうこともあり、申し訳ない限りです。
クロフ舎を始めた頃は、それほどご依頼も多くなく、知り合いのお店を回ってカードを置いてもらったりしていたんですが、その頃を考えると、今は夢のような状況だなぁ、としみじみします。
ただ、その頃に考えたやり方(主に事務仕事の部分)では、今はうまく回らなくなっているのも事実なので、ご新規のご依頼の受付は停止させていただいて、現在お引き受けしているご依頼を仕上げつつ、少しやり方も今の状況に合わせて見直そうと思っています。
作業場ももう少し機能的になるよう、整理整頓しなくては!
2020年も年明けからたくさんのお見積り依頼のメールをいただいています。
後だしのお知らせになってしまって申し訳ないのですが、そちらも一旦お断りさせていただく予定です。
お知らせが遅くなってしまってすみません。
ご依頼受付一旦停止とは言っても、クロフ舎自体はもちろん稼働しています。
現在、器を預けて下さっている方は、何かお問い合わせなどありましたら、お気軽にメールくださいませ。
2〜3ヶ月で再開できる予定ではいますので、お急ぎでない方は少しお待ちいただいて、また温かくなってきた頃にご連絡いただけるといありがたいです。
再開したら、またブログでお知らせさせていただきます!
できるだけ早く受付再開できるようにしますので、またその時は、クロフ舎をよろしくお願いいたします!
]]>2019年のクロフ舎、本日から始動です。
昨年は丸っとブログをさぼってしまい、すみませんでした。
今年はお直ししたもののご紹介も、またできればなと思っております。
その第一弾に新年のご挨拶で、去年のように金継ぎした器におせちを盛って写真を撮って載せよう、と思っていたのに、すっかり忘れておせちを食べ終わってしまいました。
(毎年、三が日が終わる前に飽きるので、今年は少なめに作ったんです……)
気を取り直して、今年の目標。
『健康に気を付ける』
でいきたいと思います。
2018年は年齢による衰えを感じる1年でした。
とくに、目。目がよく見えないなー、という日が多かったように思います。
なので、後半にハヅキルーペを導入しました(格段に見えるようになりましたー)。
目だけでなく、これからほかにも年々衰えていくんだと思います。
この仕事を長く続けるために、今年は健康に気を使っていく所存です。
今年もクロフ舎をよろしくお願いいたします!
]]>旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞクロフ舎をよろしくお願いいたします!
すでにお正月に飽きてしまったので、今日あたりからゆるゆると仕事を開始しております。
とはいえ、何かとこまごま予定が入っているので、受付再開は1/9(火)を予定しております。
お問い合わせいただいている方、お待ちいただいている方、申し訳ありませんが、もう少しお待ちいただけるとありがたいです!
写真の器は、母が真っ二つに割ってしまったもの。金継ぎの修行を始めて1年ぐらいの頃に直しました。
お直しして何年も経っているので、金に深みが出て、落ち着いた雰囲気になっています。
それでもやっぱり金が入っていると、ハレの日のお料理がさらに華やぎますねー。
甘いおかずが苦手なので、おせちの中でも紅白なますは避けてきましたが、数年前に友達から、お酢の代わりに柚子果汁を使う柚子なますを教えてもらって以来、好物になりました。
お砂糖も入れますが、控えめに。酒の肴にぴったりです。
]]>今年も残すところあと少しになってきましたね。
急なお知らせで大変申し訳ないのですが、年内の新規のご依頼の受付は、昨日で終了とさせていただきます。
クロフ舎自体は年内は28日ぐらいまで稼働する予定ですが、今お預かりしているものをできるだけ年内にお届けできればと思っているのと、書類仕事も年内に片付けてしまいたいなー、と。
こちらの都合ですみません!
すでにお見積りのお問い合わせをいただいているお客様や、ご送付の準備をしていただいているお客様は、メールや、器のご送付をしてくださって大丈夫です。
メールは28日までにいただければありがたいです。
器のご送付に関しては、日にちは気にせず、いつでもお送りくださいませ。
年明けは4日か5日ぐらいから稼働する予定です。
金継ぎをお考えの方は、恐れ入りますが、年明けにお問い合わせいただければありがたいです!
また新年の仕事始めのタイミングで、改めてお知らせもさせていただきますね。
それでは、ご迷惑をおかけしてしまう方もいるかもしれませんが、なにとぞよろしくお願いいたします!
]]>企画展のテーマに合わせて、日々の器と金継ぎについて書いてみました。
『企画展 向田邦子と日々の器』は、向田邦子さんが自身の目で選び、愛用されていたたくさんの器が一堂に見られる展示です。
図録では、向田さんの本に登場する器が、エッセイの一部とともに紹介されていて、向田ファンはもちろん、器好きの方が見ても楽しい1冊だと思います。
よく見ると、金継ぎしてある器もけっこう載ってるんですよ。
企画展は来年の2月まで開催されるそうなので、お近くの方、鹿児島に旅行される方などなど、ぜひ足を運んでみてくださいませ。
かごしま近代文学館 常設展示室2階「向田邦子の世界」展示室
2017年11月22日(水)〜 2018年2月26日(月)
開館時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:火曜日
観覧料:大人300円 小・中学生150円
私も行ってみたいなー、鹿児島。鹿児島は屋久島しか行ったことがないのです。
]]>
去年のお誕生日にプレゼントでいただいたものだそうです。
割れは接着して金仕上げに。
お直しの曲線と黒の釉薬の曲線が交差してる感じが、とってもステキです。
割れから少しヒビが延びていて、そちらは漆を染み込ませて固めるのみにしたんですが、器の色になじんでほとんどわかりません。
こちらの器のようにプレゼントでいただいたものや、ご家族が作った器などは、ご依頼して下さった方はもちろん、贈り主の方や作者の方にも気に入っていただけるといいなあ、と思いながらお直ししています。
こちらのカップは無事、贈り主の方にも気に入っていただけたようで、ご依頼くださったお客様曰く、贈り主の方は「鼻高々」だったそうです(笑)。
やった!
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印象的なデザインのアームが、3ヶ所割れてしまっていました。
銀仕上げにしたので、スッと全体の色味になじんで、写真ではどこをお直ししてるかわかりにくいですかね?
アームに指をかけて持ち上げると強度が少し心配なので、お客様には、お花の部分をつまんでお使いいただくよう、お願いしました。
アスティエの器はどれもとっても薄くて繊細なので、作業をする時、ちょっとだけ緊張します!
]]>鳥足の割れ+ヒビ。
ヒビは底までずーっと延びていました。
ヒビは漆を染み込ませて固めるのみにしましたが、絵柄の茶と漆の茶がマッチしてますし、接着部分の線も細めにしたので、違和感はまったくないと思います。
接着部分は銀仕上げです。
]]>持ち手が3つに割れてしまっていました。
一番負荷がかかる根本から割れてしまっているので、お直し後は持ち手を持って使っていただくのは難しいと思います。
持ち手を持って使っても、すぐにとれてしまう、ということはもちろんありませんが、何度も使ううちに、とれてしまう可能性が高いかと……
溜漆の深い茶色が、器全体の落ちいついた色味にしっくりなじんでいると思います。
]]>どちらも、ふちが小さく欠けてしまっていました。
さまざまな色が使われている器ですが、主張しすぎない銀を合わせたので、さりげなくなじんでいると思います。
]]>ふちが少し大きめに欠けてしまっていたのを、金仕上げでお直し。
黒と金の組み合わせ、文句なしでかっこいいですね。
]]>欠けている部分もあったので、お直しのラインがユニークになりました。
時間が経てば白漆の白さが増して、柔らかな雰囲気になると思います。
]]>ふちに3ヶ所の欠け。
落ち着いた雰囲気に仕上がる錫をチョイスしていただいたので、かわいらしく温かみのある梅の絵柄を邪魔せず、自然になじんでいると思います。
]]>器の肌の色、絵柄の柔らかな雰囲気に合わせて、白漆仕上げに。
時間が経つともっと白さが増して、より肌の色に近くなると思います。
絵柄の大きさと欠けの大きさのバランスがいいのもポイント!
]]>普段、全然気づいてなかったんですが、こうしてみると断然、金が多いですねー。
「いろいろ」は、仕上げが違う何点かをまとめてご紹介している場合や、ひとつの器で2種類の仕上げをしているものなどです。
気になる仕上げがあれば、それぞれのカテゴリをご参考にしてみてくださいね。
ところで、最近、ブログをなかなか更新できず、ご紹介したい器がたまりまくっています。
(ブログ掲載をご快諾いただいたみなさま、ご紹介が遅れていてすみません!)
まめに更新するのが難しくなってきたので、これからはまとめて何記事かご紹介してくようにしようと思います。
とりあえず、近々第一弾を!
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もしかしたら箸置きじゃなくて、ごくごく小さい豆皿なのかな?
箸置きとして使っているそうです。
端が割れてしまっていたのを接着して、器の色にぴったりな白漆でお直ししました。
写真はまだ塗ってそんなに時間が経っていないので、少し茶色が強めですが、時間が経つとより白さが増して、器になじんでいくと思います。
ロイヤルコペンハーゲンのヴィンテージだそうです。
全体に、縦横無尽にヒビが入ってしまっていました。
さらに、写真では見えづらいですが、上の部分は欠けてしまって、穴があいていました。
何度もテストして、ヒビの入っている部分を確認しながらお直し。
美しい青に金がよく映えます。
お直し後もテストを繰り返し、漏れがないことを確認。
お直し後のテストはいつもドキドキします。
]]>ふちの割れによく見られる鳥足(鳥の足のように割れたり、ヒビが入ったりした状態のこと)です。
接着して金仕上げに。
割れから下に向かって延びたヒビは、重症ではなかったので、漆を染み込ませて焼き付け、固めるのみにしました。
器の色味によくなじんで、ヒビの線はほとんど気にならないと思います。
全体の深い茶と金が、とってもいい相性。
]]>
こちらは急須のお直しで多い、注ぎ口の割れです。
こちらの備前焼の急須は、写真ではわかりづらいんですが、注ぎ口が小さく欠けてしまっていました。
どちらも金仕上げに。
お茶を注ぐときにチラリと見える金が、いいアクセントになっていると思います。
]]>晩夏のような初秋のようなこの時期にぴったりの、菊花皿のお直しをさせていただきました。
欠けてしまっていた部分を、ふちのラインに合わせて成形しました。
銀を合わせて品よく仕上げ。
夏の名残のお料理も、秋の走りのお料理も、どちらもよく似合いそうですね。
って書いてたら、秋の味覚が今から楽しみになってきましたー。
早く秋来ないかなー。
]]>この2点、それぞれ別の方から同じくらいのタイミングでご依頼いただいて、びっくりしました。
ひとつ目はコーヒーカップです。
取っ手がとれてしまっていました。
もうひとつは角皿。
割れとヒビが全体に入っていました。
磁器でたまに見られるんですが、割れたことで全体に歪みが出てしまうことがあります。
こちらのお皿もそうで、接着に苦労しました。
どうしても合わないところは、接着したあとに段差を漆のパテで埋め、なるべく気にならないように。
どちらも銀仕上げがよく似合っています。
]]>
Twitterでお知らせさせていただいていましたPCの故障ですが、戻ってまいりました!
(スマホでのブログのアップのし方がわからず、こちらではお知らせできなくてすみませんでした)
修理に出している間、メールの返信が遅れてしまったり、納品をお待たせしてしまったり(納品書が作れませんでした)、お見積りを待っていただいたりと、多くの方にご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
幸い、データにはなんの問題もなく、無事に直ったので、今日からどんどん返信や納品のお知らせなどさせていただきます!
ブログも、ご紹介できていないお直しさせていただいた器がたくさんあるので、こまめにアップしたいなー、と思っております。
今後ともよろしくお願いいたします!
]]>ふちにぽつぽつと、ごく小さな欠けがたくさん。
金仕上げでお直し。
欠けの大きさと、器の肌に入った斑点が同じくらいの大きさなので、自然になじんでいると思います。
ごくごく小さな欠けは、それほど器にダメージがあるものではないですし、それ自体が味になることもあるので、お直しをしなくてもいいかなと思っています。
ただ、ふちの欠けの場合、口が当たる部分なので、引っかかりが気になる、ということもあると思います。そういった時は、お直しをすれば、触ってもわからないくらい平らになるようにしているので、気にならなくなると思います!
ポチッと入った金の点は、とってもかわいいですしね♪
]]>パラティッシというシリーズのマグカップです。
ふちが大きく欠けてしまっていたのを、金仕上げでお直し。
大きな欠けでしたが、カップ自体もおおぶりのものですし、絵柄も大きいので、いいバランスです。
クロフ舎でもご依頼の多いアラビアの器。
今までのお直しでも感じていましたが、アラビアの器は金継ぎととても相性がいいように思います。
]]>アラビアのビンテージだそうです。
ふちが欠けていて、欠けからはヒビも伸びていました。
絵柄を邪魔していないと思います。
欠けの部分も、絵柄の実(かな?)の円と同じくらいの大きさなので、バランスがとてもいいですね。
]]>もう6月。鮎の漁も解禁になりましたね。
これからの季節に活躍してくれそうなお猪口です。
かけらもあったのですが、お客様のご希望で接着せずに、欠けを漆のパテで埋めてお直ししました。
ヒビも欠けと同様にお化粧。
内側にスッと入る金のラインが、印象的な仕上がりになりました。
ふちに大きめの欠けが3ヶ所。
ふちの欠けはお直しの中では比較的簡単なほうなんですが、この器は場所によって微妙に厚みが違うので、形を整えるのに少し苦労しました。
緑のドットと金がいい相性。
]]>注ぎ口の欠けは金仕上げに。
お茶を注ぐときに、キラリと光る金を楽しんでいただけるんじゃないかなー、と思います。
蓋の裏の欠けは、こすれることが多い部分だと思うので、金だと落ちやすいかなということで、弁柄仕上げ(渋めの朱)にしてみました。
テレビで観たんですが、中国茶の急須は使ううちに、お茶の渋や手ずれなどで、深みとツヤが出てくるそうです。
金継ぎもまたしかり。金は色味が深くなっていきますし、漆は透明感とツヤが出てきます。
急須の成長とともに、お直し部分の成長も楽しんでいただければ嬉しいです!
]]>
角皿のお直しをさせていただきました。
魚をイメージしたデザインでしょうか?
ふたつに割れていたのを、金仕上げで。
絵柄の色と金がいい相性なので、お直し部分が自然になじんでいると思います。
焼き魚がのったところを見てみたい!
]]>たっぷりとしたサイズで、茶碗むし好きな方には嬉しいですね。
器の大きさや重さに対して、取っ手が華奢なデザイン。
一番負荷がかかる取っ手の付け根のところで割れてしまっていました。
こういう破損の場合、お直し後は取っ手を持って使っていただくことは難しいです。
お客様にはその点を事前にご説明して、ご了承いただきました。
接着して、弁柄漆(渋めの赤)仕上げに。
器全体の色味と、弁柄の色がよく似合っています。
]]>
欠け部分がちょうど絵柄の葉っぱと同じくらいの大きさで、いいバランス。
目立たない銀仕上げにしてみました。
欠けからヒビが伸びていたのですが、重症ではなかったので、漆を染み込ませて焼き付け、固めるのみに。
表は絵柄の青が濃いので、漆を染み込ませた線はほとんどわからないと思います。
]]>マグカップとしては少し小さめのサイズで、使い勝手がよさそう。
ちょうど飲む時に口があたる部分にヒビが入っていました。
ふちのところと、ふちの少ししたの部分です。
漆仕上げがご希望だったので、口を付ける時になるべく気にならないよう、器の色になじむ白漆にしてみました。
黒漆も似合うんですが、口をつけるところに黒いものがあると、なんとなく気になるかなー、と。
時間が経つと白漆がもっと白くなるので、さらに気にならなくなると思います。
]]>
昭和の美濃焼の作家、五代目加藤幸兵衛のものだそうです。
角が割れてしまっていたのを、金仕上げでお直ししました。
割れのラインがちょうど枝と同じような感じで入っていて、とてもよくなじんでいます。
何枚かあるうちの1枚とのことですが、これなら無傷のものとも違和感がないのではないでしょうか。
とっても上手な(笑)割れ方!
五代目加藤幸兵衛さんは35年くらい前に亡くなられているそうです。
もう亡くなられている方の作品は、この先新しいものが生み出されることはありません。
ですが、こうしてお直しさせていただけると、その方のお仕事をさらに先の時代に引き継ぐお手伝いができたなー、と感じられて、とても嬉しいです。
]]>シンクに落としてしまったそうで、大きくヒビが入ってしまっていました。
青漆仕上げと銀仕上げで悩まれていたので、青漆で地描きをした上に銀粉を蒔いてみました。
これだけ見るとわからないと思いますが、通常の黒漆や白漆の上に銀を蒔いたものと比べると、ほんのり青味がかっています。
使い続けると銀が落ちてきて、下の漆が見えてくるので、青漆の色も楽しんでいただけると思います。
それを楽しみに、長く使い続けていただければ嬉しいです!
]]>プリンセスというシリーズで、プリンセスのティアラをモチーフにしているそうです。
ピクルスオーバル、という名前なんですが、ピクルスを盛るためのお皿なんでしょうか?
ピクルス、たっぷり盛れますね。
小さなケーキとかのほうが似合いそう。
あ、ピクルスっぽい形ってことかな? でもピクルスって言ってもいろいろあるし……
端が割れてしまっていたのを、銀仕上げでお直ししました。
銀がさりげなくなじんでいるので、お直ししていることを知らない方が見たら、気づかないかもしれません。
お皿の青には金もよく似合うと思いますが、やはり、可憐な雰囲気を壊さない銀がベストな選択だったと思います。
]]>4つに割れていたものを、接着して金仕上げに。
割れがちょうど絵柄にかかってしまっていましたが、赤や黄色と金は相性がいいので、それほど邪魔には感じないのではないでしょうか。
お直しをしているときには知らなかったんですが、実はこちらの湯呑はペアだそうで、無事だったものと並べた写真をお客様が送ってくださいました!
ステキ〜♡
金が自然になじんでいるので、無傷のものと並べてもそんなに違和感はなく、安心しました。
ペアの器や、同じものが何点かある器の場合、お直しをしていないものと並べたときに、金継ぎをしたものだけが目立ってしまったり、同じものに見えなくなってしまわないよう、さりげなくなじむ仕上げを選ぶのがオススメです。
「ペアです」「何枚かあるうちの1枚です」と伺ったときには、いつもその点を考えながら仕上げをご提案させていただいてはいるんですが、実際に無傷のものと並んでいるところを見ることはないので、納品後は「大丈夫だったかな……」とちょっぴり心配です。
今回、お写真をお送りいただいて、ペアで並んでいるところを初めて目にすることができて、とても嬉しかったです!
ありがとうございました!
]]>ロイヤルコペンハーゲンのものだそうです。
ふたつに割れてしまっていて、大きな欠けもありました。
お子さんが好きそうなかわいらしい柄ですが、色使いなどはとても上品なので(さすがロイヤルコペンハーゲン!)、金や銀なども似合うと思いますが、やはりお子さんが使うものなので、かわいらしい雰囲気のほうがいいだろう、ということで、白漆仕上げをチョイスしてくださいました。
時間が経つと白漆は白さが増すので、もっとかわいらしい雰囲気になると思います。
クマのところにはヒビもありましたが、こちらは絵柄を邪魔しないよう、漆を染み込ませてヒビを固めるのみに。
クマちゃんの上にたくさん線がかかってたら、痛々しいですもんね。
クマが茶色なので、漆の線もそれほど目立っていないと思います。
]]>
注ぎ口が小さく欠けていました。
急須の注ぎ口って、ちょっとしたときに湯呑やテーブルにぶつけてしまいがちですよね。
お茶の切れがいいように、注ぎ口の下の部分に少しでっぱりがありました。
漆のパテで欠けを埋め、でっぱりに合わせて整形しました(写真ではあんまりわからないですかね)。
マットな肌にチラリと光る金がステキです。
]]>
北海道の余市町で作陶されている、馬渡新平さんの器だそうです。
落ち着いた器の雰囲気に合わせて、金仕上げに。
深い緑と金の相性が抜群です。
]]>マレーシアのマラッカの骨董市で購入されたものだそうです。
明るい色味とエスニックな柄がかわいらしい湯呑です。
ふちがまっすぐではなく、波型になっているので、その形に合わせて欠けを埋めました。
かわいい雰囲気を損なわないよう、さりげなくなじむ銀仕上げに。
少し時間が経って銀の色合いが落ち着いてきたら、さらに似合いそう!
お直し部分の成長を楽しみつつ、おいしいお茶を飲んでくだいね。
]]>
お越し下さった皆様、ありがとうございました。
展示会は初めての経験でしたが、たくさんの作品を見られたり、いろいろな方とお話できたりで、とても楽しかったです!
クロフ舎のハガキも置かせていただいていたので、金継ぎが気になる!というお客様とも、たくさんお話させていただくことができました〜。
教室展の会場、Gallery蔵はこんなところでした。
ビルとビルの間に挟まれた小さな蔵。
築100年で、3階に上がると見られる小屋組みは迫力満点。
梁なんて、ものすごく太くて立派でした。日本の建築、かっこいいです。
こちらは私の作品。30cm×45cmぐらいの箱です。
覚えた技法を総動員して、錫粉と呂色漆(黒漆)でいろいろな模様を描いてみました。
これ、もともとはいなり寿司(おいしかった〜♡)が入ってた箱なんですよー。
大きい作品はひとつひとつの工程に時間がかかる、ということに途中まで気づかず制作を進めていたので、最後はギリギリになってしまってドキドキしましたが、無事間に合ってよかった!
展示会、本当に楽しかったので、またやりたいです。
次があるなら、ひとつテーマを決めて、何点かの作品で表現するのもおもしろそうだなー。
私が未体験の技法で作られた、ほかの方の作品もたくさん見られて、挑戦したいことも増えました。
引き続き、漆修行に励みたいと思います!
]]>覚えることすべてが金継ぎにつながり、自分でも少しずつですが、成長を感じられています。
で! その教室の教室展が、あさって3月24日(金)から、御茶ノ水のGallery蔵で開催されます!
教室にはいろいろな方が通っていて、年齢で言うと下は24歳から上は90近い方まで、教室歴で言うと1年ほどの方から10年以上という方まで、約40名の作品が展示されます。
私は大きな作品なので1点だけですが、みなさんたくさん出品されるようなので、100点は軽く超えているのでは?
蒔絵や乾漆、螺鈿、拭き漆など、さまざまな技法を一堂に見られるのもおもしろいと思います。
私は友達のキルトユニットSANKAKU QUILTさんの作品をモチーフにした箱を出品します!
(SANKAKU QUILTさんのワークショップに参加したときの様子はこちら)
SANKAKU QUILTさんの作品を見ていたときに、これを漆で再現したらかわいいのでは!?と思いつき、許可をもらって挑戦してみました。
あのかわいさを漆でどこまで再現できるか?がテーマでしたが、蒔き地、目はじき塗り、拭き漆、蒔絵、漆絵、ステンシルなどなど、覚えた技法を総動員した結果、なかなかうまくいったと思います。
とは言え、限られた期間での作品制作だったので、手直ししたところもあちこち……
お越し下さる方は、なにとぞ、少し離れたところから見ていただければ幸いです(笑)。
播与漆工芸教室「柴田組 漆芸作品展」
【期間】
2017年3月24日(金)〜29日(水)
平日11:00〜19:00 土日10:30〜18:30 最終日は16:00終了
【場所】
御茶ノ水ソラシティB1F
東京都千代田区神田駿河台4-6
【アクセス】
JR総武線・中央線「御茶ノ水」駅・聖橋口から徒歩1分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅・B2出口直結
東京は桜が開花しました。お散歩がてら、お花見がてら、お出かけくださいませー♪
私は27日(月)15:00〜19:00に当番なのでおります。ぜひお声かけてくださいね〜。
]]>
KINTSUGI × Digital Technology
コペンハーゲン在住のカナダ人アーティストVanessa Julia Carpenter さんの、金継ぎとデジタルテクノロジーを組み合わせたワークショップが、渋谷のFabCafeさんで開催されます。
その中で、金継ぎのお話をさせていただいたり、仕上げの工程の実演などをさせていただく予定です。
金継ぎとデジタルテクノロジーと言われても、なかなかピンときませんが……
金継ぎした器に電子機器をつないで、音を出したり、光らせたり、という実験をするそう。
どうなるんでしょうね? ワクワク……
電気を通したら、接着したところがパカッととれたりして!?とドキドキもありますが、金継ぎをやっている人間ではとても思いつかない発想なので、どんなものが見られるのか、今から楽しみです。
お時間あれば、ぜひぜひご参加くださいませ!
当日は、我が家で使っている器をいろいろ持っていく予定。
万が一とれたら、またお直しします(笑)。
KINTSUGI × Digital Technology
日時 3月18日(土)14:00〜16:00
料金 1500円(1ドリンク付き)
会場 FabCafe MTRL
※詳細はFabCafeさんのサイトをご確認ください
]]>ふちが欠けてしまい、欠けからヒビも伸びていました。
ふちの欠けはカーブに自然に合うように、慎重に成形(整形? どっちだろ?)。
鯛牙で磨いた金の、深みのある光り方が、上品な印象の器によく合っていると思います。
]]>
古物市で購入されたものだそう。
銀と似ていますが、錫仕上げです。
絵柄の深い青と、落ち着いた雰囲気の錫がよくなじんで、絵柄を邪魔していないと思います。
いつも感じることですが、お客様に選んでいただいた仕上げって、こちらが想像していた以上に器によく合うんですよねー。
やっぱり、愛着を持って使われているからこそ、器に一番合う仕上げがピンとくるんでしょうね。毎回とっても勉強になります!
]]>
大きなヒビが2本。
触ってみるとけっこう重症で、おそらく、底の部分がもう少し薄かったら、真っ二つに割れてしまっていたと思います。
深い茶の肌に映える、銀仕上げをチョイスしていただきました。
スッとしたフォルムに合わせて、できるだけ細い線でお直し。
銀が内側の白ともよく合っていて、シャレた雰囲気に仕上がりました。
湯呑とのことですが、赤ワインとかも似合いそうですねー。
]]>
どちらも同じような位置に、同じくらいの欠けがありました。
お二人で使われているので、それぞれの目印になるよう、金仕上げと銀仕上げを選んでくださいました。
目印にしたいとのことだったので、目立つように、磨き仕上げに。
白いカップなので、どちらもよく似合っています。私ならどっちにするかな……悩む……。
お客様が個展で岡田さんとお会いした時に聞いたお話では、全体に入った貫入は、コーヒーで入れているそうです!
アンティークのような、使い込んだ風合いがとてもステキです。
]]>白いほうは山本亮平さん、黒いほうは井山三希子さんのものです。
白いお皿はなめらかな肌に合わせて、磨き金仕上げに。
シンプルなデザインに、ちょこっと入った金がいいアクセントになっています。
黒いお皿は呂色漆(黒漆)仕上げにしてみました。
同じ黒なのでほとんど目立ちませんが、少し光が当たると、マットな肌に艶やかな漆がチラリと見え、とってもかっこいいと思います。
同じ色を合わせるの、個人的に好みです。
見えそうで見えなくて、でもやっぱり見えて。
気づいた時の、お!という感じがいいですよねー。
]]>9つに割れてしまっていたので、絵柄にかかる線がたくさんありました。
内側を見ると、かなり細かく割れてしまってるのがよくわかります。
優しい色合いの絵柄をなるべく邪魔しないよう、白漆でお直し。
今はまだ色が濃いので、絵柄よりお直し部分が前に出ている印象ですが、色が落ち着けば全体になじんで自然な雰囲気になるかと。
白漆の色の変化は、こちらをご参考にしてくださいね。
]]>
一陽来復ですよー!!(去年の記事はこちら)
今年は無病息災も祈願して、瓢箪バックにしてみました。
今年の恵方は北北西なので、一陽来復は南南東に貼ります。
貼るのは今日の夜0時です。
去年は貼る位置にちょうど柱があったんですが、今年は柱がないので、貼るために木も取り付け済み。
よし来い、0時! がんばります!!
]]>ですが、お直しが完成したものを見た多くのお客様が、
「思っていたよりも茶色が濃かった」
という感想を持たれるようです。
白漆とは言っても、茶色の漆に白の顔料を混ぜて作るので、真っ白にはならず、どうしても茶色がかってしまいます。
とくに塗りたては茶色が強く出るので、白漆、と聞いてイメージする色とはかなり違うと思います。
とはいえ、使ううちに白さが増していって、3ヶ月ほど経つと、最初と比べるとかなり白っぽくなるんですよー。
お客様に色のイメージを伝えるときには、「ミルクティーのような色です」と言っているんですが、ミルクティーって人によってお好みのミルクの量が違うと思うので、イメージする色味も人それぞれ。
というわけで、もっとわかりやすいように、写真撮りました!
以前ご紹介した木箱の側面です。
上の色が濃いところが、おととい塗った部分(写真を撮るためにザッと塗ったので、塗りむらには目をつぶってくださいませ……)。かなり茶色が濃いめです。
下の白っぽいところは、塗ってから8ヶ月ほど経っています。これ以上は白くなりません。
白漆はとくに茶を強く感じると思いますが、色が変化するのはほかの色でも同じです。
届いたときには思ったより渋かった、色が暗かった、と思われることもあるかと思いますが、少しずつ色が明るく、きれいに出てくるので、色の変化も楽しみつつ、末永くお使いいただければうれしいです!
]]>
絵柄のところどことろに入っている金彩が気に入っている、というお話だったので、それに合わせて金仕上げに。
同じような光り方のほうがいいかなと思って、磨き金にしてみました。
かなり古いものだそうですが、葉っぱの緑、花の白、枝の黒、そして金の組み合わせが、とってもモダンな印象です。
私が使っている湯呑は、子どもの頃に買ってもらったキティちゃんの湯呑なんですが(笑)、最近、ステキな湯呑のお直しのご依頼が多くて、心が揺れています……。
少し大きめで、たっぷりお茶が入る、土ものの湯呑とかいいなー。
……でも、キティちゃんの湯呑が割れてしまったら、きっと直すと思います。
]]>
大切な品なので使わずに飾っておいたところ、猫ちゃんが割ってしまったそうです。
お名前は釉薬の上に書かれていて、研ぐと落ちてしまうので、お名前にかかっている部分があるヒビは漆を染み込ませて焼き付け、ヒビを固めるだけに。
欠けの部分は金仕上げにしました。
しっかりお直しさせていただいたので、おいしいビールを飲んでくださいませ〜!!
]]>京都で作陶されている、杉本太郎さんの器です。
青味がかった緑と、モダンなデザインが印象的。
あまり目立たないように、というご希望だったので、落ち着いた色味に合う溜漆を合わせてみました。
全体の雰囲気により合うように、漆を2回重ねて塗ったので、かなり深い茶になっています。
漆仕上げのご提案をするときに、溜漆はどんな色ですか?というご質問をよくいただきます。
ただ、写真を撮ってもそのままの雰囲気を写すのは難しいし、言葉で説明しても、きちんとお伝えできているのか、いつも心配です。
が、今回の右側の写真はかなり上手に(手前みそ)撮れました!……と思います。
深い茶とツヤ、ほんのりと透け感がある感じが出ていると思うんですが、どうですかね?
近々、漆仕上げで選んでいただける色をまとめてご紹介しますね。
]]>絵柄に金が入っているので、金仕上げが文句なしに似合います。
大振りの湯飲みなので、少し大きめの欠けも、器の大きさに対していいバランス。
長く使い続けていただくと、表面の金が落ちて、下の弁柄漆が見えてきますが、そうなった時にも全体の茶や絵柄の赤と、相性がいいと思います。
長くお使いいただいて、変化を楽しんでいただけたら嬉しいです!
]]>増田勉さんの三島碗です。
金仕上げにすると、華やかな雰囲気になることが多いんですが、今回は器の模様とお直し部分の太さが近いからか、全体に入った模様に先に目がいくからか、想像以上に金が器になじんで、さりげない仕上がりになりました。
こういう、想像を超える仕上がりになることがたまにあって、そういう器と仕上げの組み合わせに出会えた時は、本当にうれしくなります。
(もちろん、思ってたとおりよく似合う!という仕上がりの時もうれしいですが!)
これまで、白飯というシンプルなものを盛ることが多いお茶碗には、金は華やかすぎるかも?と思っていたんですが、このお茶碗のお直しをさせていただいて、考え方が変わりました。
どうしたら金をさりげなく、それでもキラリと光るように見せられるのか、さらに研究を続けたいと思います!
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印象的な絵柄で、その上にヒビが入ってしまっていました。
西洋画によく見られる金の額縁をイメージして、金を合わせてみました。
線を細くしたので、絵柄にかかっている部分もそれほど気にならないかと。
]]>かけらは5つ。
かけらが多いものは、接着の時に少し緊張します。
金と銀で悩まれていましたが、最終的に金をチョイスしていただきました。
初めて金継ぎをされる時って、なかなかイメージもしづらいと思うので、どの仕上げにするか悩んでしまいますよね。
白はとくに、金も銀も似合うので、悩まれる方が多いような……。
こちらでもいろいろとご提案させていただきますので、悩まれた時はご相談くださいね!
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雑煮碗のお直しをさせていただきました。
昨年の秋に、お正月に使いたい!とご依頼をいただきました。
無事間に合ってよかった〜!
お正月というハレの日に使う器なので、華やかに金仕上げに。
金のワンポイントが、お雑煮におめでたさをさらにプラスしてくれるといいな、と思います。
こちらの器をお直しさせていただいて、初めて「雑煮碗」の存在を知りました。
我が家では、お雑煮はいつものお椀で食べています。
ちなみに、うちの父の出身が仙台で、そちらの習慣のようなんですが、お雑煮にはイクラがのってます。
あと我が家では、お雑煮と一緒にあんこのお餅もお正月にいただきます。
お雑煮って、ほんとに地域によってさまざまですよねー。
こちらの器には、どんなお雑煮が盛られるのでしょう? 盛られたところも見てみたい!
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今年は「もっと丁寧に!」を心の合言葉に、去年よりもたくさんの器のお直しをさせていただけるよう、がんばります!
写真は、昨年暮れに友達と行った、チコラータさんのワークショップで作ったお正月飾り。
最近、ワークショップがとても楽しくて、何度か参加してます。
で、行くたびに、気軽に体験できて、金継ぎの魅力を知るきっかけにしてもらえるようなワークショップを、クロフ舎でもできないかなー、と考えてます。
とはいえ、金継ぎは時間がかかるものなので、1回で、長くても2時間くらいで、となると、なかなかハードルが高い……。
でも、ちょっと思いついたことがあるので、いろんな人に意見を聞きながら、今年はワークショップのような、新しいことにも挑戦していきたいなと思っています!
2017年もクロフ舎をよろしくお願いします!
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