以前ご紹介した、「金継ぎの道具:鯛牙」は、最後の最後の仕上げ、金や銀を磨くときに使うものです。

この、鯛牙で金を磨く、という作業、磨く前と磨いたあとの違いがものすごくて、何度やっても感動します。
なので、この違いをいつか見ていただきたいなー、と思いつつ、いざその段階になると、「わーい、磨きだ!」と気持ちが早って、写真を撮るのを忘れてしまっていました。
が、今回、ようやく写真を撮ることができましたー!

とはいえ、スマホ(しかもけっこう古い)での撮影なので、違いが伝わるかはちょっと微妙ですが……。


こちらは昨日ご紹介した牛ノ戸焼の中深皿の、磨く前と磨いたあと。
銀の丸粉を使っています。
銀丸粉は、粉の状態で見ると、真っ白でまるでクレンザーのよう。
粉蒔きをして固めをして、磨く前の状態ではまったくツヤや輝きはありません。
ところがこれを鯛牙で磨くと、とたんに艶々として、まさに銀!といった輝きが出てきます。



こっちのほうが違いがわかりやすいかも? こちらは金の丸粉です。
金丸粉は、粉の状態でも、金だなというのは一応わかりますが、鈍い色で輝きはありません。
それが磨いてみるとこのとおり! ピカーーーーッ!!
写真もまあまあ伝わりやすく撮れているかと。


さらに使っていただくと、手のあぶらや摩擦でよりツヤが上がっていきます。
漆仕上げの場合は、鯛牙で磨くということはしませんが、こちらも同様に使っていくうちにツヤが上がって、漆に透明感が出てきます。

金継ぎをして生まれた新しい景色だけでなく、こういった経年による器の成長も、同時に楽しんでいただければ幸いです!

牛ノ戸焼の中深皿のお直しをさせていただきました。
カケラ2つの割れの接着です。


「モダンなデザインを損なわず、でも派手にならず」というご要望をいただきました。
黒の漆仕上げだと暗めの印象になってしまいますし、金だと前に出すぎてモダンな印象を崩してしまうかと思います。
なので、どちらの釉薬ともなじむ、銀仕上げにしました。


裏はこんな感じです。

4歳の姪っ子に頼まれ、マグカップの欠けを直しました。


子どもが使う、かわいらしいリンゴ柄のカップなので、金や銀ではなく、リンゴにあわせて弁柄漆(渋めの赤)で仕上げてみました。
色は、写真で見るよりは赤みが強いです。使っていくうちに、もう少し赤みが出てくるかと。
ガタガタした欠けでしたが、ポップな感じになるよう、なめらかなラインでまあるい形に。

姪っ子は、私が魔法で器を直せると思っています……。
 

クロフ舎では、無料のお見積もりをする時は、お客様からいただいた器の情報をもとに、お見積もり金額を出しています。
欠けや割れなどは一目瞭然なので、こういう状態、というのを判断しやすいと思うんですが、難しいのはヒビです。
ですが、貫入かヒビか、わかりにくいということも多いのでは?

貫入とは、釉薬の部分にできるヒビ模様のことです。
この貫入とヒビを見分ける簡単な方法は、水を入れてしばらく放置する、というもの。
貫入の場合、表面だけに入っているヒビなので、水漏れはしません。一方、ヒビの場合には30分くらい放置しておくと、外側にも水が染み出してきます。
とはいえ、ヒビでも水漏れをしないケースもあるので、それだけでは判断できないことも。

そこで、ヒビと貫入を見分けるポイントをいくつかご紹介。

「器の内側と外側を見てみる」
→器の内側と外側の、同じ位置に同じヒビがあれば、それはヒビです。内側だけ(または外側だけ)に入っているような場合は、貫入である可能性が高いです。


「指の先で器を軽く叩いてみる」
→ヒビの近くと、無傷の部分を、軽く指の先で叩いてみてください。無傷の部分は乾いた、高めの音がすると思います。それに対して、少し低めの濁った音がしたら、ヒビが深く入っている可能性が高いです。

「器を置いたときの音を聞く」
→器を置いたときに、コトンッというような、違和感のない音がすれば、ヒビは入っていない、もしくはそれほど重症ではありません。逆に、ガシャンッというような音がしたら、重症度の高いヒビが入っています。

「ヒビを触ってみる」
→ヒビを触ったときに引っかかりがあったり、段差がある場合は、ヒビです。しかも重症度は高めです。

「ヒビの部分を引っ張ってみる」
→ヒビかな?と思う部分を、広げるように引っ張ってみてください。重症度高めのヒビの場合、少し力を入れただけでも、隙間ができると思います。
注:力を入れすぎると、割れてしまう場合もあるので気をつけて!

ヒビのお直しを考えている時には、これらのポイントをチェックしてみてください。
正確な情報をお伝えいただいたほうが、お見積もり時に実際に近い料金をご案内できます。

また、ヒビのお直しのとき、器を置いたときにガシャンッという音がする、ヒビを触ると引っかかりがある、ヒビに力を入れると隙間ができる、のいずれかの症状がある場合には、「割れる寸前」という状態です。
ですから、一度完全に割ってしまってからお直しをすることをオススメしています。
ヒビのまま直すこともできますが、それだと割って直した場合よりも、強度が弱くなってしまいます。
お直しをして長く使い続けていただくためには、「割る」という選択肢も考えていただくといいかと。

それともうひとつ、大切なポイントが!
器を見るときには、できるだけ明るい場所で見てください!!
普通に見るとよくわからなくても、光を当てることで、見えていなかったヒビが見つかることもよくあるケース。

お直しをするかの判断や、お見積もりのご依頼をいただくときの参考にしてくださいませ♪
 

昨年晩秋に生まれた友達の赤ちゃんのお祝いに、離乳食用の器その2を作りました。


形は以前ご紹介した、スウェーデン国旗柄のものと同じです。

ちょっと前に、姪っ子ちゃんにお椀を作った友達が、
「金属のスプーンでガリガリしてて、すでに傷だらけになってる……」
と、しょんぼりしていたので、今回はスプーンもセットで作ってみました。

裏には木と鳥の図柄。

スプーンの柄にも鳥が描いてあるので、合わせるとちょっとした群れになります。
(とくに意味はありませんが……)



実は、お食事用のスタイも作ったので、スタイの柄に合わせてこの図案にしてみました。

ちっちゃなあの子が離乳食をスタートするのは、もう少し先。
気に入ってくれるか、使いやすいか、今からドキドキ!!