現在、クロフ舎でお引き受けしているのは、陶磁器の金継ぎと拭き漆の漆器のお直しです。
ですが、将来的には塗りものの漆器のお直しもできるようにしたいと思っているので、金継ぎの合間に塗りの修行をしています。

先日、弟たちが小さい頃に使っていたこども椀を、母がどこからか見つけてきました。
そこで、塗りもののお直し修行も兼ねて、姪っ子(4歳)と甥っ子(2歳)用にリメイクしてみることに。


写真を撮り忘れてしまったんですが……もとは外側が拭き漆、内側は弁柄の塗り、ふちは呂色漆というもので、子どもが使うのにはちょっと地味かなー、という感じ。
30年近く使っていなかったので、高台は虫食いによるカケがあったり、ふちにはヒビ割れがあったりと、かなり傷んでいる状態です。
全体をペーパーで空研ぎしてキレイにし、カケやヒビは刻ソ漆(漆のパテ)で埋め、形を整えました。その上から全体に拭き漆を重ねます。
中は塗りに。姪っ子は本朱、甥っ子は呂色にしてみました。


そして完成したのがこちら。

残さず食べると、底から梅と松が出てきます。
梅は呂色、松は白漆で、ステンシルで入れました。
写真では大きさがわかりにくいですが、直径10センチほどで、小さな子どもが使うにはいいサイズです。
とはいえ、せっかく直したので、長く使ってもらいたいなと思い、あまり子どもっぽくなりすぎない柄にしてみました。

赤いほうの、高台の下の黒くなっているところが、刻ソ漆で埋めた部分です。
写真は明るく写っていてちょっと目立っていますが、実際にはもう少し拭き漆が深い色になっているので、それほど目立ちません。

先月、姪っ子と甥っ子が遊びに来たので見せたら、すごく気に入ってくれました。
姪っ子からは、「ワァ! 毎日これで食べたーい♪」という、おば冥利に尽きる一言も!
いっぱい食べてたくさん遊んで、元気に育っていってほしいものです。


塗りのお直しは、金継ぎと同じようなワレやカケのほかにも、塗膜の浮きや剥離、ハゲ、漆の変色など、さまざまです。
もっといろいろなお直しの技術を身につけていかなくては、と日々感じています。
これからも修行に励んで、近いうちに少しずつでもお引き受けできるよう、がんばります!
 

前編はコチラ

5月末から直し始めたカケラの足りないお茶碗。
先日、ようやくお直しが完成しました。

実際に作業にとりかかってみると、外側が微妙に波打っていて、カケラが足りない部分の成形がなかなか大変。
器と作った部分が自然につながるよう、ペーパーで研いでいくんですが、この作業にかなり時間がかかりました。手で触って確かめながら、器に傷がつかないよう気をつけて研いでいきます。内側は、先が少し曲がっている彫刻刀も使って、カーブを再現しました。

欠損部分を成形し、接着部分の足りないところも漆のパテで埋め、全体がもとの形になったら、いよいよ仕上げです。

今回は、毎日使うもので、しかも「ご飯」という、とてもシンプルなものを盛るお茶碗なので、あまり大げさにならないよう、白漆仕上げにしました。
小さなカケなら金とか銀もいいんですが、いかんせん欠損部分があってお化粧する面積が広いので、金や銀にすると存在感がすごいことになってしまうな、と。


そして、完成したのがこちらです!

おかえり、私のお茶碗!

白漆は、漆に白い顔料を混ぜて作るので、真っ白ではなく、写真のようなうっすらと茶色がかった色になります。牛乳多めのミルクティーの色を想像していただくと、近いと思います。
白漆にすると、内側はいいとしても、外側は黒なので、コントラストが強くなって、バキッとした印象になってしまうかも?と、ちょっと心配だったんですが、この色なので、実際はわりと柔らかい印象に仕上がりました。


底はこんな感じです。

実は、高台も小さく割れていました。
白漆が、釉薬のかかっていない糸底の色ともいい相性です。

これでまた、大好きなこのお茶碗でご飯を食べることができます。これで食べると、おいしさ2割増なんですよ〜。
新米シーズンに間に合ってよかった!


今回は、5月末から直し始め、完成が11月頭。ほかのお直しの合間に少しずつ進めていたので、5ヵ月半もかかってしまいました。自分のものなので、のんびりしすぎました。放置していた期間もちょいちょいあったので、実際の作業期間は4ヶ月ほどかと。

参考までに、今回ぐらいの直しだと、漆仕上げで8,000円ほど、金では10,000円ぐらいにはなってしまうかと思います。欠損部分が大きいので、お高めになります。

ちなみに、カケラが足りない器を直すとき、今回のような木継ぎのほかに、別の器のカケラを合わせる「呼び継ぎ」という方法もあります。呼び継ぎはまだやったことがないので、いずれやったら、またご紹介しますね。

 

友達にもらって10年近く愛用しているお茶碗のフチが、ちょっと欠けてしまったので、銀継ぎで直しました。

直している間は別のお茶碗でご飯を食べていたんですが、愛着のあるこのお茶碗で食べるときと比べると、なんだかちょっと物足りない。

そして1ヶ月半で修理完了。やっぱりこれじゃないとダメだわ♪と、再びこのお茶碗で毎日おいしくご飯をいただいていました。

が、お直し完成から2週間後……








こんな姿に!
諸事情あって階段の一番上から落としてしまい、見事にバラバラです(涙)。
お茶碗がボールみたいにはねること、生まれて初めて知りました……。


直した直後の惨事に心が折れてしまい、とりあえずカケラを集めて1ヶ月以上放置。
ようやく心の傷も癒え始め、直す気力が出てきた頃、カケラをつなぎ合わせ、マスキングテープで仮どめしてみたところ……カケラ足りてないよー!!

慌てて階段の下をくまなく探してみたんですが、足りないカケラは見つからず。
階段をおりたところに置いてある、古新聞入れに紛れてしまっていたようです。


でも大丈夫!
金継ぎなら、こういうカケラが足りない器のお直しもできるんですよ。
足りない部分は木を削って接着し、それを芯にして漆のパテで埋めていきます。埋め終わったら器の形に合わせて形を整え……といろいろな工程が続き、最後は通常のお直し同様、上から金や銀、色漆などでお化粧します。

カケラが全部揃っている場合と比べて工程が多くなるので、そのぶん時間はかかってしまいます(ただし、欠損部分がそれほど大きくなければ、パテだけで埋めることができるので、木継ぎをする場合よりは短期間でお直しできます)。
お値段も、カケラが足りない場合、手間がかかりますし、どうしても金や銀でお化粧する面積が広くなってしまうので、そのぶん高くなります。

割れてしまったお気に入りの器がある、でもカケラが足りない、直すか悩んでいる、というときには、お見積もりは無料なので、まずはお気軽にメールくださいませ。


さてさて、5つのパーツに割れてしまったこちらのお茶碗、先日ようやく修理が完成しましたー!
気になる完成後の姿は、後編で!!

クロフ舎では、拭き漆の器のお直しも承っています。

拭き漆とは、漆を塗っては拭き取り、という工程を繰り返す漆の技法のことです。
漆のあめ色が木地の木目を引き立たせる、木の魅力を生かした技法です。塗りのものと比べると素朴な味わいで、毎日の食卓で気軽に使うのにぴったり。

ただ、塗った漆を拭き取る塗装方法なので、塗膜はとっても薄く、長年使っていると手ずれなどで漆が落ち、木地がむき出しになってしまいます。
そのまま使っていると、はげた部分から油が染み込んでしまったり、水分が染み込んで乾きにくくなったりして、黒ずんだり、カビたりする原因になってしまうことも。



写真のお椀も、長年の使用で外側の漆はほとんどはげてしまっています。
特に洗った時に水がたまりやすい高台の部分は傷みが激しく、黒ずみも目立ちます。


こういう状態になってしまった器も、表面を研いでもう一度拭き漆をすることで、新品のようによみがえるんです。
それがこちら↓

お直し後の写真です。
上で紹介した写真と同じお椀ですよ!
使い方にもよりますが、これでまた、10〜20年は使い続けていただけると思います。


さっき、「新品のように…」と書きましたが、新品のものよりお直ししたもののほうが、長年の使用による味が加わって、仕上がりに深みがあるように感じます。

拭き漆の器はお値段が手ごろなものも多いので、ものによってはお直しをするよりも、新しいものを買いなおしたほうが安いということもあると思います。
けれども、この時間を経て生まれる美しさも捨てがたいもの。

使ったらすぐに洗う、洗ったら乾いた布で拭いてしっかり乾燥させる、などの日々の基本的なお手入れ。
それに加えて、10年、20年に一度などのペースでお直しをしていただければ、それほど高価なものでなくても、一生使い続けていただける、特別な器になるのではないでしょうか。


ちなみに、傷みの程度によりますが、お椀のお直しだと2000円くらいから承っています。
このくらい傷んでしまっていると、下地を施すところからしなくてはいけないので、1つ3000円ほどになります。
5個や10個など、まとめてのご依頼の場合、割引もありますのでご相談くださいませ!



クロフ舎では、接着剤でくっつけてしまった器のお直しも承っています。
 
ただし、接着剤を一度取り除いてからお直しの作業に入りますので、そのぶん、お時間や料金がかかります。
ですから、ご自身で接着剤をとっていただいてからご依頼いただくのも、ひとつの方法です。
 
接着剤をとる場合、使った接着剤がわかっていれば、その接着剤をとるための商品も販売されているので、それを使うのが一番手っ取り早いでしょう。こちらではずす場合にも、使った接着剤がわかればお知らせいただけると助かります。
 
わからないときは、お湯に長時間つける、お鍋で煮る、電子レンジに何度かかける、カッターで削る(手や器を傷つけないよう注意!)、などの方法を試してみるといいかもしれません。
ほとんどの接着剤が熱に弱いので、熱を加えては、少し力を入れてはずれるか試し、というのを繰り返すと、何度目かでポロッととれることが多いですよ。ただし、ヤケドなどには気をつけて。


接着剤でくっつけていたものをはずして直すとき、接着剤を完全に取り除かないと、接着部分の強度が弱くなってしまうことがあります。ですから、接着剤をとるために、もともとの欠損よりもヒビや割れ、欠けの幅が広がることもありますので、ご了承ください。
 
 
また、もともと漆で接着して直してあるものを直したいという場合、もし接着がキレイにできているのであれば、そのままお直しするケースもあります。接着があまりうまくできていなくて、段差がある、中のものがもれてくる、などの場合には、いったんバラバラにしてから直すことになります。
 
漆でくっつけたものをはずすのはとても大変です。はずすだけでかなりの時間がかかります。そのぶん納品までのお時間もかなりいただくことになりますので、ご了承くださいませ。
 


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