酒器シリーズ3回目は、お猪口のお直しです。

すっきりとしたシンプルなデザインに艶やかな肌、磁器のお猪口です。

昨日ご紹介したぐい呑みと同じ方からのご依頼だったので、いろいろな仕上げを楽しんでいただけたら、ということで、こちらは磨き金仕上げに(ぐい呑みは丸粉仕上げ)。

ツヤッとした肌に、ピカッとした金がよく似合います。

 

磨き金仕上げは消し粉を使い、真綿で粉を蒔いた後、真綿で磨いて光らせます。

金丸粉と比べると、明るめの金で、ピカッとした感じの仕上がりになります。

 

同じ金仕上げでも磨き金仕上げと丸粉仕上げでは、けっこう雰囲気がかわります。同じ器を2つお直しする時など、ひとつずつ粉の種類を変えてもおもしろいですよー。

 

 

酒器シリーズその2、ぐい呑みのお直しをさせていただきました。

正円でない微妙に歪んだラインが、持った時に親指と人差し指のカーブにフィットして、手の中にすとんと納まってくれるんですよ、これ! 作家さんの細やかな気配りが感じられます。

(こういう感じで、お客様の器を持ったり眺めたりして、そのデザインのすばらしさにひとり感動する毎日です。あぁ、楽し)

 

長年使われてきたものだそうで、細かく入った貫入が、その証。

貫入と金のラインの組み合わせは、文句なしにいい相性です!

 

次回はお猪口をご紹介しまーす。

すっかり寒くなって、雪まで降って(!)、まだ11月なのにもう冬のようですね。

寒さと乾燥で、漆が乾くのに時間がかかるようになってきました……。

 

そんな寒い時期にぴったりなのが熱燗ですね〜。

熱燗をおいしくいただけそうな、ステキな徳利のお直しをさせていただきました。

 

80歳を超えた今でも現役で活躍されている、女性の作家さんの作品だそうです。

持ってみると、ずっしりとした気持ちいい重さ。そして手にすんなりとなじむ、優しい丸みの徳利です。

ふちの欠けも丸みを帯びているので、器のフォルムにぴったり。

 

金が器の色によくなじんで、さりげないワンポイントになってくれました。

使い続けると、どうしても金が落ちてきてしまい、下の弁柄漆(渋い朱)が見えてくるんですが、その状態もとても似合いそう。

 

寒い時期に間に合うように、ということかわかりませんが、この秋は酒器のご依頼が多かったような……。

そちらはまた後日! しばらく酒器シリーズをお送りしまーす♪

小鉢のお直しをさせていただきました。

 

絵柄のちょうど反対側に、同じくらいの大きさで割れが入って、とてもバランスのいい割れ方。惚れ惚れします。

(こういうことを言うのもどうかと思いますが)ご依頼品を見ていると、皆さま、ほんとに上手に割るなー、と思ってしまいます。

私が割ってしまう時って、なかなかこういうステキな割れ方しないんですよね。

うらやましい……。

 

全体の雰囲気を壊さないよう、青になじむ銀仕上げに。

とても品のよい仕上がりになったと思います。

 

ちなみに、この器なら金仕上げも似合うと思います。金が青によく映えるんです。

銀仕上げは品よく、金仕上げなら華やかに、といった感じでしょうか。

仕上げをどれにしようか悩む……という時は、お気軽にご相談くださいませ!

お茶碗のお直しをさせていただきました。

 

ふちが大きく欠けてしまっていました。

欠けからは、短いですがヒビも伸びています。

 

欠けは錫仕上げに。けっこう面積広めですが、錫なのでそこだけが目立ってしまう、ということはなく、全体の雰囲気になじんでくれています。

ヒビは漆を染み込ませて焼き付けました。

 

最近ご依頼で、「ブログで見た錫仕上げが、落ち着いた雰囲気でいいなと思いました」、と言っていただくことが増えています。

お茶碗や湯呑のような、特別ではない日常の中で使うものには、華やかになりすぎない錫がとても合うと思います。

小出しに小出しにご紹介してきた九谷焼のお皿のお直し、ついに完成しました!

 

右側の写真が、前回ご紹介したものとほとんど同じに見えますが、一応違う写真です(下の新聞紙とっただけじゃないですよ!)。

鯛牙で磨いているので、実際はもっと金にツヤがあります。

 

お皿の真ん中に線が入るので、絵柄を邪魔してしまわないか、少し心配だったんですが。明るくパッと輝く金ではなく、落ち着いた光り方をする金を選んだので、絵柄ともマッチしていると思います。

 

旅先でお客様ご自身が絵付けされたというこちらのお皿。

これからは旅の思い出とともに、金継ぎの景色も楽しんでいただけるとうれしいです!

ロイヤルコペンハーゲンの小鉢のお直しをさせていただきました。

35年くらい使われているものだそうですが、真ん中でふたつに割れてしまっていました。

 

ヒビに沿った欠けがほとんどなく、キレイな割れ方。

銀仕上げにしたら、スッと入った1本の銀のラインがとても上品な雰囲気に。

外側の美しい青とはもちろん相性がいいですし、内側の絵柄も邪魔していないかと。

 

またこの先の35年も、使い続けていただければ幸いです!

 

イイホシユミコさんの器を2点、お直しさせていただきました。

 

フリーカップはふちに2ヶ所の欠け。金仕上げで。

ポチッとした金が、かわいらしいポイントになりました。

 

持ち手つきのカップは銀仕上げに。

シンプルな形にはお直しもできるだけシンプルに、ということで、ヒビは漆を染み込ませて焼き付けるのみにしました。

お客様には、金もいいけど、銀の落ち着いた雰囲気がいい!と気に入っていただけました!

 

少し時間があいてしまいましたが、九谷焼のお皿のお直しの工程のご紹介。

今回は粉蒔きです。

 

蒔くのはこちらの純金粉。下にあるのは、金粉を蒔いたり払ったりするのに使う、毛棒という道具です。

金粉残り少なくなったので、足りないかな? でも新しいのも買ってあるので大丈夫です。

 

左から、地描き(金粉を蒔くために、下に漆を塗ること)、粉蒔きをしたところ、乾いた後に金粉を回収したところ。

今回は金仕上げなので、弁柄漆で地描きしています。

粉を蒔くときは、たっぷり蒔いてから、線の回りの粉は毛棒を使って、線に寄せるように掃き集めます。

余分な粉を毛棒で払って回収すると、このとおり! 金のラインが出てきました。

 

このあと、粉が定着するように表面に薄めた漆を塗って、ティッシュで押さえて余分な漆を取り除き、乾いたら磨いて完成!

完成形のご紹介は……まだ引っ張ります(笑)。また近々!

引き続き、九谷焼のお皿のお直しをさせていただいています。

 

その1」で無事接着が完了したお皿の継ぎ目を、漆のパテを使って埋めていきます。

最初は、刻ソ漆といって、漆に木の粉や綿の繊維などを混ぜたパテで埋めます。

ある程度埋まったら、そこから先は、表面を平らにしていく工程です。

左は切り粉漆という、刻ソ漆と比べるとなめらかなパテを盛ったところ。

右は切り粉漆を研いでから、呂色漆を塗って研いだところ。

 

と、サクッと書きましたが、実際はここまで、かなりの時間がかかります。

工程をご紹介すると、

接着→刻ソ盛り(少しずつ盛っていき、埋まるまで何度も繰り返します)→切り粉盛り→切り粉漆の固め→水研ぎ(切粉盛り〜水研ぎを何度か繰り返すことも)→呂色漆の塗り→水研ぎ(呂色〜水研ぎも、表面がなめらかになるまで何度か繰り返す)

という感じですかね。

ちなみに、それぞれの工程の間には、乾燥させる時間(それぞれ1日〜数日)もあります。

 

時間をかけて少しずつ作業を進めることで、頑丈で美しい仕上がりになるので、どれも省略することはできない、大切な工程です。

 

金継ぎは完成までに、短くても1ヶ月以上、長いものになると半年近くかかります。

どうしてこんなに時間がかかるんだろう?と思われる方も多いと思いますが、その理由がなんとなくわかっていただけたでしょうか?

 

とはいえ、ここまできたらあと少し!

次回は粉蒔き(金粉を蒔く、仕上げの工程)をご紹介します!!


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