リトアニアの器を2点、お直しさせていただきました。

依頼してくださったのは、靴のデザイナーさん、JUCO.さんです。
お友達がリトアニアから買い付けてきた器で、とっても気に入っていたものだとか。
(行ってみたいなー、リトアニア。東欧、憧れです)

普段は比較的シンプルな作家さんのものや、和食器のご依頼が多く、リトアニアの器のお直しをさせていただくのは初めてです。


ポットのふちの割れは金で仕上げました。黒に金が映えてます。
金糸のリングがふわっとふちにかかっているような、かわいい仕上がりになりました。


小皿は銀仕上げに。
こちらの仕上げは白漆にするか、銀にするか、JUCO.さんもすごく悩まれていたんですが、より金継ぎ感があったほうがいいということで、銀に決定。
かわいらしい柄を邪魔することなく、それでも光の当たり方次第ではキラリと光る銀のラインが、金継ぎの味を楽しんでいただけると思います。


裏はこんな感じ。手書きの文字がかわいい。2014年に作られたのかしら?

初めてリトアニアの器のお直しをさせていただいて、どこの国で作られたものでも、金継ぎは似合うんだなー、とうれしい発見ができました♪
ありがとうございました!

湯呑みのお直しをさせていただきました。


実は届いた時にはヒビが入っているものの、割れてはいない状態だったんですが、まさに、少し前にご紹介した「割れる寸前の状態」でした。
なので、お客様にご相談して、頑丈に直すために割らせていただきました。
少し力を入れただけで、この状態に。
(写真の背景がちょっとあれで……イノッチさんに目がいっちゃうな……)


漆仕上げが気になる、とのことだったので、白漆をチョイス。
写真だとかなり茶色に見えますが、実際はミルクティーくらいの色です。使っていくうちに、もう少し白くなっていくと思います。
(ってテレビを観ながら書いてたら、ちょうど『美の壺』で白漆の色の変化をやってました! 一つ目のツボで紹介されてますよー)


器の絵柄を横切った線も、白漆なので前に出すぎることがなく、なじんでいるかと。
時間が経つと色が変化して、さらに落ち着いた雰囲気になると思います。
漆仕上げは、そういった変化も楽しんで使っていただければうれしいです!

牛ノ戸焼の中深皿のお直しをさせていただきました。
カケラ2つの割れの接着です。


「モダンなデザインを損なわず、でも派手にならず」というご要望をいただきました。
黒の漆仕上げだと暗めの印象になってしまいますし、金だと前に出すぎてモダンな印象を崩してしまうかと思います。
なので、どちらの釉薬ともなじむ、銀仕上げにしました。


裏はこんな感じです。

4歳の姪っ子に頼まれ、マグカップの欠けを直しました。


子どもが使う、かわいらしいリンゴ柄のカップなので、金や銀ではなく、リンゴにあわせて弁柄漆(渋めの赤)で仕上げてみました。
色は、写真で見るよりは赤みが強いです。使っていくうちに、もう少し赤みが出てくるかと。
ガタガタした欠けでしたが、ポップな感じになるよう、なめらかなラインでまあるい形に。

姪っ子は、私が魔法で器を直せると思っています……。
 

カップ2点のお直しをさせていただきました。


こちらはカケが2ヶ所。
どちらもごく小さなカケだったので、直したところが少し目立つように、ピカッと光る銀仕上げにしました。
逆に目立たせたくない場合には、黒の漆仕上げにすると、直したことを知っている人でなければ、ほとんど気づかない感じになると思います。


こちらもカケが2ヶ所。
器の肌が少しザラザラした感じだったので、光り方を抑えた金仕上げにしました。
写真では上の部分が黒っぽく写っていますが、実際は深い茶色で、金がよくなじんで温かみのある雰囲気になっているかと。


このように金仕上げ・銀仕上げと一言で言っても、実はいろいろなやり方があるので、近々それぞれの違いを画像でご紹介できればなーと思い、サンプルを作っています。
ただ、実物を見ると違いがわかるんですが、写真でそれがうまく伝わるかどうか……。
いいカメラが欲しいす……。
 

小石原焼の小皿のお直しをさせていただきました。
直径12cmほどで、とり皿にちょうどいいサイズです。


カラスの足のようなかっこいい割れ方。
同じものが数枚あるそうなので、この1枚だけが目立ってしまわないよう、全体の色になじむ銀で仕上げました。
 

直径28cmほどの、小鹿田焼の大皿のお直しをさせていただきました。



表は線が細いんですが、裏はカケもあって線が太めです。
大きめのカケもありました。
勢いのある刷毛目に負けないよう、金で仕上げてみました。
 

スープボウル? カフェオレボウル? 小丼?のお直しをさせていただきました。


カケラ2つのワレで、この割れ方とっても多いんですよね。なんででしょう?
物理が得意な人とかなら、きっと説明できるんだと思いますが……。
写真では見えないと思いますが、ワレたところから下に、ヒビも入っています。


外側の青と合いそうだったので、金で仕上げました。

 

前編はコチラ

5月末から直し始めたカケラの足りないお茶碗。
先日、ようやくお直しが完成しました。

実際に作業にとりかかってみると、外側が微妙に波打っていて、カケラが足りない部分の成形がなかなか大変。
器と作った部分が自然につながるよう、ペーパーで研いでいくんですが、この作業にかなり時間がかかりました。手で触って確かめながら、器に傷がつかないよう気をつけて研いでいきます。内側は、先が少し曲がっている彫刻刀も使って、カーブを再現しました。

欠損部分を成形し、接着部分の足りないところも漆のパテで埋め、全体がもとの形になったら、いよいよ仕上げです。

今回は、毎日使うもので、しかも「ご飯」という、とてもシンプルなものを盛るお茶碗なので、あまり大げさにならないよう、白漆仕上げにしました。
小さなカケなら金とか銀もいいんですが、いかんせん欠損部分があってお化粧する面積が広いので、金や銀にすると存在感がすごいことになってしまうな、と。


そして、完成したのがこちらです!

おかえり、私のお茶碗!

白漆は、漆に白い顔料を混ぜて作るので、真っ白ではなく、写真のようなうっすらと茶色がかった色になります。牛乳多めのミルクティーの色を想像していただくと、近いと思います。
白漆にすると、内側はいいとしても、外側は黒なので、コントラストが強くなって、バキッとした印象になってしまうかも?と、ちょっと心配だったんですが、この色なので、実際はわりと柔らかい印象に仕上がりました。


底はこんな感じです。

実は、高台も小さく割れていました。
白漆が、釉薬のかかっていない糸底の色ともいい相性です。

これでまた、大好きなこのお茶碗でご飯を食べることができます。これで食べると、おいしさ2割増なんですよ〜。
新米シーズンに間に合ってよかった!


今回は、5月末から直し始め、完成が11月頭。ほかのお直しの合間に少しずつ進めていたので、5ヵ月半もかかってしまいました。自分のものなので、のんびりしすぎました。放置していた期間もちょいちょいあったので、実際の作業期間は4ヶ月ほどかと。

参考までに、今回ぐらいの直しだと、漆仕上げで8,000円ほど、金では10,000円ぐらいにはなってしまうかと思います。欠損部分が大きいので、お高めになります。

ちなみに、カケラが足りない器を直すとき、今回のような木継ぎのほかに、別の器のカケラを合わせる「呼び継ぎ」という方法もあります。呼び継ぎはまだやったことがないので、いずれやったら、またご紹介しますね。

 

友達にもらって10年近く愛用しているお茶碗のフチが、ちょっと欠けてしまったので、銀継ぎで直しました。

直している間は別のお茶碗でご飯を食べていたんですが、愛着のあるこのお茶碗で食べるときと比べると、なんだかちょっと物足りない。

そして1ヶ月半で修理完了。やっぱりこれじゃないとダメだわ♪と、再びこのお茶碗で毎日おいしくご飯をいただいていました。

が、お直し完成から2週間後……








こんな姿に!
諸事情あって階段の一番上から落としてしまい、見事にバラバラです(涙)。
お茶碗がボールみたいにはねること、生まれて初めて知りました……。


直した直後の惨事に心が折れてしまい、とりあえずカケラを集めて1ヶ月以上放置。
ようやく心の傷も癒え始め、直す気力が出てきた頃、カケラをつなぎ合わせ、マスキングテープで仮どめしてみたところ……カケラ足りてないよー!!

慌てて階段の下をくまなく探してみたんですが、足りないカケラは見つからず。
階段をおりたところに置いてある、古新聞入れに紛れてしまっていたようです。


でも大丈夫!
金継ぎなら、こういうカケラが足りない器のお直しもできるんですよ。
足りない部分は木を削って接着し、それを芯にして漆のパテで埋めていきます。埋め終わったら器の形に合わせて形を整え……といろいろな工程が続き、最後は通常のお直し同様、上から金や銀、色漆などでお化粧します。

カケラが全部揃っている場合と比べて工程が多くなるので、そのぶん時間はかかってしまいます(ただし、欠損部分がそれほど大きくなければ、パテだけで埋めることができるので、木継ぎをする場合よりは短期間でお直しできます)。
お値段も、カケラが足りない場合、手間がかかりますし、どうしても金や銀でお化粧する面積が広くなってしまうので、そのぶん高くなります。

割れてしまったお気に入りの器がある、でもカケラが足りない、直すか悩んでいる、というときには、お見積もりは無料なので、まずはお気軽にメールくださいませ。


さてさて、5つのパーツに割れてしまったこちらのお茶碗、先日ようやく修理が完成しましたー!
気になる完成後の姿は、後編で!!